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名古屋市立大学 医薬学総合研究院 大学院医学研究科・医学部 形成外科学 教授
鳥山 和宏 先生 < Toriyama Kazuhiro >
<所属学会など>
日本形成外科学会・日本創傷外科学会・日本頭蓋顎顔面外科学会・
日本形成外科手術手技学会・日本白斑学会・日本再生医療学会・
日本褥瘡学会・日本熱傷学会 など
名古屋市立大学 形成外科教授・形成外科部長
名古屋市立大学 乳がん治療・乳房再建センター 副センター長
この治療は、まず患者さんの傷が目立ちにくい二の腕の内側や太ももの付け根などから切手大くらいの皮膚を採取して、約5週間かけて培養します。
その後、作られた細胞シートを患部に貼っていくのですが、貼る部分の皮膚(表皮)を薄く削り取らなければなりません。
その削る深さや、均一な深さで削るところにテクニックが必要になります。
レーザーや高速グラインダーなどを用いて削るのですが、人によって皮膚の水分量が違ったり、治療する部位によっても皮膚(表皮)の厚みが異なります。
顔の部分で言えば、ほっぺ周りの皮膚は厚く、目の近くはとても薄いです。
どれくらいの深さで削るかは、出血の具合で確認していきますが、炭酸ガスレーザーの場合は出血点が分かりにくいので、ダーモカメラで拡大して行っています。
削る深さを確認することは、傷跡ができるだけ残らないようにするためにはとても大事な作業になります。
この治療は、いままで治らなくて諦めていた白斑患者さんに希望を与えるものだと思っています。
2024年の10月から保険が使えるようになり、この治療を提供できる病院も次第に増えてきています。
まず、メラノサイト含有自家培養表皮という保険適用の治療があることを皆さんに知ってほしいですね。
現代ではネットにたくさんの情報が載っています。
その中で確かな情報をつかんでもらうことが大事です。情報がきちんと有益なものか判断出来ない場合は医療機関や関連機関に問い合わせてみるのもいいと思います。
今回お話しした培養表皮をはじめ、今後も新しい治療がどんどん出てきます。
いま治療が難しい患者さんも諦めないで、そうした情報に目を光らせていて欲しいと思います。
