皮膚の雑学皮膚の雑学

皮膚の雑学

皮膚の雑学は
北海道大学大学院医学研究院 皮膚科学教室 准教授
夏賀 健 先生
に監修いただきました。

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Q1 :皮膚にはどんな働きがあるのですか?

A1 はい、それはね

皮膚には次の4 つの働きがあります。
1 水分の喪失や透過を防ぐ
2 汗によって水分を排出し、体温を調整する
3 触覚や痛覚、温覚・冷覚などの皮膚感覚を受容する
4 紫外線・微生物や化学物質などの異物から身体を守る

Q2 :傷を早く治すにはどうしたらいいのですか?

A2 はい、それはね

まずは傷口を水でよく洗い、清潔に保ちましょう。 消毒液は正常な組織も壊してしまう成分が含まれるため、日常生活で受傷した程度の浅い傷であれば水道水でよく洗い、 乾燥を防ぐために被覆材で保護し、傷口の乾燥を防ぐことで傷の修復を促すことができます。

Q3 :歳を重ねると傷が治りにくいのはなぜですか?

A3 はい、それはね

加齢に伴って皮膚の再生能力が低下していくためです。 新しい細胞を生み出すことで組織を再生する能力を担っている幹細胞は、皮膚の機能維持や傷の修復において重要な役割を果たします。 その幹細胞は加齢に伴って減少します。 加齢に伴う皮膚の老化や再生機能の低下には、幹細胞の減少が大きく関わっているといわれています。

Q4 :皮膚の色はどうして人によって違うのですか?

A4 はい、それはね

肌の色の違いは肌に含まれるメラニン色素の違いによるものです。 表皮の一番下の層に存在する「メラノサイト」という色素細胞は、紫外線による刺激を受けるとメラニン色素を産生します。 日射量の多い地域や日照時間の長い地域の人は色の濃いメラニン産生が活発化することで黒い肌になり、 反対に日射量が少ない地域では紫外線を浴びる量が少ないため薄い色の肌になります。

Q5 :日焼けをすると赤くなる人と黒くなる人がいるのはどうしてですか?

A5 はい、それはね

日焼けによる肌色の差が生じるのは、肌のメラニン産生力の違いによるものです。 日焼けをして黒くなる肌は紫外線から肌を守る力が強く、 紫外線照射後メラニンを産生して数週間~数か月にわたって黒っぽい日焼け(サンタン)が現れます。 一方、メラニンを作る力が弱い肌は紫外線を浴びると赤くなります(サンバーン)。 この状態の皮膚は細胞がダメージを受けているため、適切なケアと紫外線対策を充分に行う必要があります。

Q6 :ほくろに良性と悪性があるってほんとですか?

A6 はい、それはね

一般的に「ほくろ」とは、皮膚の一部にメラニン色素を含む良性の母斑細胞( ほくろ細胞) が集まってできたものです。
一方、色素を作る細胞であるメラノサイトががん化した悪性腫瘍を「メラノーマ」といいます。メラノーマには以下のような特徴があります。
・不規則な形をしている
・色のついた部分とついていない部分の境目がぼんやりしている
・色むらがある
・直径6mm 以上
・大きくなってきている
メラノーマの疑いがある場合には、先述の通りがん化の可能性があるため、自己判断せず早めに皮膚科専門医に相談しましょう。

Q7 :ほくろは除去していいのでしょうか?

A7 はい、それはね

ほくろだと思っているものが実はほくろではない場合や、良性のほくろでも刺激を与え続けることで将来的に悪性に変化する場合があります。 そのため自力で除去することはやめましょう。ただ、ほくろ除去自体は危険ではないため、専門の医療機関に相談し、ほくろの種類にあった適正な方法で除去するようにしましょう。

Q8 :シミの発生を防ぐにはどうしたらいいのですか?

A8 はい、それはね

一般的なシミの多くは加齢や紫外線を浴びることが原因で生じます。 日焼け止めや日傘などを活用し、紫外線を避けることはシミ予防に効果的です。 紫外線暴露が原因であるシミの場合はビタミン剤やトラネキサム酸の内服による摂取もシミの発生予防に効果があるといわれています。

Q9 :ドライアイスでやけどすると聞きますが、どうして低温でやけどするのですか?

A9 はい、それはね

ドライアイスなどの低温の物質に直接触れると「凍傷(とうしょう)」を起こすことがあります。 凍傷は組織が凍ることで起きる障害で、やけどとは異なります。 皮膚が寒冷にさらされ続けることで、体内の温度を外に逃さないように血管が収縮し、血流が悪くなるために組織がダメージを受けます。 また、組織の毛細血管内に血栓(血の塊)が生じた場合、この血栓によって血流が阻害されるとその部位が壊死し、 皮膚が灰色や黒色に変化することがあります。

Q10 :浅いやけどと深いやけどはどう違うのですか?

A10 はい、それはね

やけどは深達度といって、皮膚のどの部位まで損傷しているかによって分類されます。 皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織(脂肪)で構成されていますが、損傷が表皮までの浅いものをⅠ度、 真皮まで達しているものをⅡ度、皮下組織まで達しているものをⅢ度と分類します。 深いやけどや、広範囲のやけどは損傷が強く治るのに時間がかかり、後遺症が残ることもあるため医療機関での手術等が必要です。

Q11 :肌に白く抜けている箇所があります、広がってきますか?

A11 はい、それはね

皮膚の色が白く抜ける病気を「白斑」といい、白斑のうち尋常性白斑という疾患は進行にしたがって、 白斑の面積が大きくなったり、全身へ広がったりすることがあります。 症状には個人差があり、基本的には少しずつ時間をかけて白斑部の面積が広がっていきますが、まれに急速に拡大することもあります。

Q12 :皮膚科に行った際に、ステロイド外用薬を処方されました。ステロイド外用薬の副作用にはどんなものがありますか?

A12 はい、それはね

一般的にステロイド外用薬は、効果の高さと副作用の起こりやすさが比例するといわれています。 ステロイド外用薬は効果を元にした5 段階の分類があり、皮疹の重症度に見合った薬剤、また薬剤ごとの適正な使用頻度、用法を守ることが大切です。 ステロイド外用薬には以下のような副作用があります。
・ステロイドざ瘡(ニキビ)
・ステロイド潮紅
・皮膚萎縮
・多毛
・細菌、真菌、ウイルスによる皮膚感染症
・アレルギー性接触皮膚炎

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