皮膚の再生医療について、日本では2007年から始まった皮膚の再生医療についてご紹介します。

母斑の治療

母斑(ぼはん)の治療

皮膚の構造 母斑(ぼはん)とは黒褐色のあざで、ほくろのような小さなものから、大きなものまでさまざまあり、黒い色素を持つメラノサイトという色素細胞が皮膚の表皮と真皮の境目や真皮の中にたまっていくことであざとなります。 その中でも先天性巨大色素性母斑は生まれつきのもので、体幹、手足、頭などに現われます。成人では直径20㎝以上、幼児では体幹は 6 ㎝以上、頭は 9 ㎝以上のあざをいいます。 先天性巨大色素性母斑は、将来的に悪性黒色腫(皮膚がん)を発症する恐れ(日本では数%程度)があります。 この悪性黒色腫はその半数が3歳までに発症するといわれており、その患部を早期に切り取ることが望まれます。 母斑が小さかったり、母斑の場所が手術しやすい場所にある場合には、切除して縫い縮めたり、あざのない患者さんの皮膚を移植したりすることで治療が可能です。 しかし、母斑が大きい場合や手術が難しい場所にある場合には、患者さんの皮膚を培養した「自家培養表皮」を用いることが考慮されます。 手術方法は、母斑を取り除いた後に「自家培養表皮」を貼っていくものです。

保険の適用について

保険適用

「自家培養表皮移植」は、2023年7月現在、「重症熱傷」、「先天性巨大色素性母斑」、 「表皮水疱症(接合部型と栄養障害型に限る)」の治療で保険が適用されます。 また、高額療養費制度の対象にもなりますので、患者さんの費用負担は軽減されます。

保険適用 高額療養費制度については こちらをご覧ください。 患者さんがお子さまの場合には、 こども医療費助成制度、表皮水疱症については「指定難病」の 助成の対象となります。 詳しくはお住いの地方自治体の窓口にお問い合わせください。

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