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母斑治療についてお聞きしました。

「母斑治療」についてお聞きしました
おっしゃるように、母斑にはさまざまな種類があります。
色で説明するのが分かりやすくて良いと思いますが、主に赤アザ、青アザ、黒アザ、茶アザと呼ばれます。
アザはそのアザの要因となっている細胞や特徴によって分類されます。
例えば赤アザは表面の毛細血管により構成されます。黒アザ・青アザはメラノサイトという皮膚の色素(メラニン)を作る細胞が主な要因です。
メラノサイトが皮膚の少し深いところに集まってできたものが青アザで、メラニンを主成分とする色素細胞が塊になって広がったものが黒アザです。
茶アザは色が茶や黄にわかれますが、メラニンが皮膚の浅いところに増えて出来た場合には茶色で、
皮膚の脂をつくる脂腺や皮膚や毛穴をつくる細胞で構成される場合には黄色にあらわれます。
(詳しくはこちら:横浜市立大学HP)
ニュースで自家培養表皮に保険が使えるようになったと聞き、とても素晴らしい進歩だなと楽しみにしていました。
巨大母斑の患者さんで皮膚移植が必要な場合、必ず問題になるのは、移植するための正常な皮膚を身体のどこから取るかです。
移植する皮膚が大きい場合、正常皮膚を剥ぐようにして取るのですが、剥いだ箇所にはどうしても広い擦り傷のような痕が残ってしまいます。
治療のためとはいえ、患部以外にも傷痕を作ってしまうというジレンマがいつもありました。
また、母斑の範囲が広いと患部を覆うだけの皮膚が取れない場合もあります。
自家培養表皮ならそのような悩みがなく治療が行えます。(自家培養表皮についてはこちら)
私たち医師と患者さんにとって、とても画期的な治療が行えるようになったと思います。
メリットは、やはり細胞を培養するために採取する皮膚が非常に小さく(切手大)、
それを培養することで大きな面積の母斑治療が可能になるというところです。
今までの治療法では、移植する皮膚が足りない場合には複数回の手術を行わないといけませんでしたが、
自家培養表皮なら、例えば2回分が1回の手術で治療できてしまうこともあります。
デメリットとしては、先述の通り、取り扱いに少し時間や手間を要することです。
現在の自家培養表皮は薄いため、移植後の管理を誤ると肥厚性瘢痕(傷あとが赤く盛り上がってしまう)といって、少し目立つような傷跡になりやすくなります。
また、患者さんによっては痒みが強くでたりします。もっと厚みのある自家培養表皮ができたらさらに治療がやりやすくなるのではと思います。
技術的に難しいことは私も重々承知していますが、ぜひ製品開発を頑張っていただきたいです。
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