治療について

自家培養軟骨移植術について

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「自家培養軟骨移植術」の治療について、詳しくご説明します。

ご注意:ひざのトラブルはさまざまで、それに応じた診察・診断法があります。
最終的にはかかりつけの病院や医師の判断に従ってください。

1 診察

「自家培養軟骨移植術」を受ける患者さんは、「近所のクリニック」から「専門病院」に紹介される場合が多いようです。一般的に専門病院の診察を受けるには「紹介状(診療情報提供書)」があるとスムーズです。「自家培養軟骨移植術」の対象となる患者さんは「外傷性軟骨欠損症」あるいは「離断性骨軟骨炎」による軟骨欠損ですが、ひざ軟骨の診断は難しく診断結果が出るまで時間がかかる場合もあります。

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ひざに異常を感じ、専門病院に行く場合はクリニックなどの「紹介状(診療情報提供書)」があるとスムーズです。
(「ひざ軟骨の診察を受けるにはも参照ください
初診では、紹介状の患者さんの診療データを基に問診や触診をおこないます。歩ける場合は、ひざや全身の状態などの確認もおこないます。
「自家培養軟骨移植術」の対象となる患者さんは、「外傷性軟骨欠損症」あるいは「離断性骨軟骨炎」で、軟骨の損傷サイズが合計「4㎠以上」の方です。
(「対象の患者さんについても参照ください


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診断までに、レントゲン検査(X線検査)、MRI検査、CT検査などの画像検査などもおこなわれます。ひざ軟骨損傷は特に診断が難しく、患者さんの自覚症状もさまざまです。損傷が数カ所ある場合もあります。そのため、外から分かりにくい場合は関節鏡を入れて検査をすることもあります。最近では画像データを三次元で解析し、色分けされた画像で、厚さや欠損面積の大きさを計測できる機器もあります。
また、「外傷性軟骨欠損症」や「離断性骨軟骨炎」に対するひざの治療法は複数ありますので、医師とよく相談して最適な治療法を選択することが大切です。

2 アレルギー検査

「自家培養軟骨移植術」の治療を受ける場合、初めに2種類のアレルギー検査をおこないます。一つは「牛肉」に対するアレルギー検査、もう一つは「アテロコラーゲン」に対するアレルギー検査です。「牛肉アレルギー検査」は血液検査ですが、「アテロコラーゲン検査」は、腕に1カ所、皮内注射をして4週間ほど様子を見て判断します。アレルギー検査が陰性(反応が現れない)の方しか手術を受けることができません

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2種類のアレルギー検査の一つは「牛肉アレルギー検査」です。「自家培養軟骨」にはウシ血清とアテロコラーゲンが含まれています。「え、牛肉?」と驚かれる方がいらっしゃると思いますが、現在ではウシやブタなどの動物由来の原材料を使用する「生物由来製品」が多数あります。「牛肉アレルギー検査」は血液検査です。
二つ目の「アテロコラーゲンアレルギー検査」は、「自家培養軟骨」に含まれるアテロコラーゲンに対するものです。培養で使われるアテロコラーゲンは、アレルギー反応や拒否反応を低減するために、コラーゲンの抗原部位であるテロペプチドを酵素で除いたもので、美容液や医療用のインプラントなどでも使われています。「アテロコラーゲンアレルギー検査」は腕に1カ所、皮内注射をして4週間ほど様子を見て判断します。皮内注射とは、皮膚の表皮とすぐ下の真皮の間に検査する物質を注入してアレルギー反応を確認するものです。手術は、2種類のアレルギー検査が陰性(反応が現れない)の方しか受けることができません
また、「自家培養軟骨移植術」では、患者さんの治療スケジュールを短縮するために、アレルギー検査と同時に軟骨組織を採取し、培養している間にアレルギー反応を確認する場合があります。培養期間も4週間なので、アレルギー検査結果と手術のタイミングが合わせられます。もし、患者さんのアレルギー検査結果が陽性の場合はもちろん手術はおこないません。

3 軟骨組織の採取(1回目の手術)

「自家培養軟骨移植術」は、手術を2回おこないます。その1回目が培養する軟骨細胞を採取する手術です。関節鏡による手術で、手術時間は30~40分程度、入院期間は1日程度です。採取する軟骨組織は0.4gほどです。

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「自家培養軟骨移植術」は、計2回の手術が必要です。「自家培養軟骨」を作るためには、培養の元になる患者さんの軟骨組織が必要であり、そのための軟骨組織採取の手術が「1回目の手術」となります。軟骨組織採取手術には、関節鏡と呼ばれる関節手術用の内視鏡が用いられます。先端の直径は4mmほどで、拡大モニターで患部を精細に見ながら手術ができます。採取の場所はひざ関節の体重がかからない場所でかつ健常な軟骨があるところです。そこから約0.4 gの軟骨を採取します。手術は全身麻酔あるいは腰椎麻酔などでおこない、30~40分程度で終了します。1日程度の入院が必要になります。退院後は無理をしなければ普段どおりの生活を送ることができます。採取された軟骨は、すぐに培養をおこなう製造会社に送られます。

4 軟骨細胞の培養

患者さんから採取された軟骨組織は、すぐに製造会社に送られ培養準備に取り掛かります。専用のアテロコラーゲンというゲルと混合して培養され、4週間後には「自家培養軟骨」が完成します

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患者さんから採取された軟骨組織は専用の容器に入れられ、専門の輸送業者によって製造会社に送られます。届いた組織は、最初の「受け入れ検査」で運送時に問題がなかったか、培養するために問題がないかがチェックされます。次に、外部からの菌をシャットアウトした「クリーンエリア(無菌室)」に運ばれます。クリーンエリアは、24時間モニタリングによる徹底した管理の下、365日稼働しています。

ここに運ばれた軟骨組織は、酵素処理され、軟骨細胞が取り出され、アテロコラーゲンに包埋(混ぜ合わせる)されます。アテロコラーゲンは、皮膚などに含まれるたんぱく質のコラーゲンの一種で、コラーゲン分子の両端にある「テロペプチド」が酵素で切断されたものです。テロペプチドは免疫反応(拒絶反応)を誘発する原因になりますが、アテロコラーゲンはテロペプチドが除去されているために免疫拒絶反応が起こりにくい、臨床での使用実績が多いものです。
アテロコラーゲンに包埋された軟骨細胞は、4週間培養されます。この培養期間中に軟骨細胞は増え、軟骨基質(軟骨組織の主要な成分)を作り出して本来の軟骨の性質に近づいていきます。完成した「自家培養軟骨」は500円玉大でゼリーのような硬さのものになります。
製造会社からの出荷時には、「自家培養軟骨」に菌が混入していないかなどをチェックする綿密な出荷検査・確認検査がおこなわれ、専門の輸送業者によって慎重・確実に指定された日時に医療機関に届けられます。

5 移植手術 (2回目の手術)

移植手術(2回目の手術)は全身麻酔でおこなわれます。患者さんのひざの状態により手術時間は変わってきますが、2~3時間程度を要します。軟骨の損傷した部分をきれいに整えて、欠損部に「自家培養軟骨」を乗せ、人工コラーゲン膜でふたをして縫合します。

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「自家培養軟骨移植術」の手術時間は2〜3時間程度です(軟骨欠損が複数箇所ある場合や他の治療も併せておこなう場合もありますので、おおよその目安としてお考えください)。
手術は全身麻酔でおこなわれます。ひざの切開はおよそ10〜15cmです。軟骨欠損部は損傷で周辺が荒れているのできれいに整えます。また、剝がれた軟骨の破片などが残っている場合は全て取り除きます。欠損部が数カ所ある場合も同様の処置をおこないます。次に欠損部に合わせ、「自家培養軟骨」の形を整え、欠損部に乗せていきます。「自家培養軟骨」が欠損部からずり落ちないように、人工コラーゲン膜(以前は患者さんの骨膜)でふたをしてしっかりと縫い合わせます。最後に皮膚を縫い合わせて終了です。

「自家培養軟骨移植術」は比較的新しい治療法ですが全国の病院で受けることができます。
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