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TMさん(患者さん)
10代/男性
職業:手術当時 高校在学、現在 会社員(就職3ヶ月で荷物運搬などの重労働に従事)
スポーツ歴:水泳、サッカー、中学生からはテニス
ひざの病歴:既往歴はなし。高校部活のテニスで、サーブ時に体重をかけると痛いと思ったのが始まり。
1週間に3回から4回くらい痛みを感じていた。2年の春(2018年5月)に準備運動で屈伸をしようとした際に、
ひざが異常に腫れていて曲げることが出来ず、学校近くの病院を受診。
レントゲンでは異常がなかった。しかし、おかしいと思うくらいに腫れていたため、自宅近くのいつも通院しているスポーツ整形のクリニックを受診、
MRI撮影で軟骨が骨から剥がれていると診断された。
症状がましになるときもあったため、5月以降も、月に1回の診察を受けながら、
部活を続けていた。しかし、秋ごろから痛みで日常生活も支障がでるようになったため、
前医で手術を勧められ紹介状を持ち、2018年11月に大阪市立総合医療センターを受診。診察時は5月時点でのMRIしかなく、
その所見では、病巣は亀裂のみだったため剥がれかけているところを固定する手術の計画であった。
ところが、手術直前のMRI検査では、病巣の骨軟骨片が粉砕し、完全に剥離していることがわかり、
自家培養軟骨移植術しか治療法がないという状況となる。
2019年1月10日/軟骨採取と半月板切除術、骨軟骨片の摘出
2019年2月8日/自家培養軟骨を左ひざ(5.9㎝²)に移植
- 2019年2月に手術でしたが、現在の生活(学校・仕事など)はいかがですか
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TM:はい、2年半が経過しましたが、今はケガをする前と同じように生活できています。
学校を卒業し、就職しました。まだ3ヶ月ほどですが、荷物を運ぶなど力を必要とする業務です。でもおかげさまで、仕事にも支障はありません
- 手術を受ける前の症状や状態(原因、痛みや生活への影響など)を教えてください
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TM:とにかく歩けなかったです。1分くらい歩くと剥がれた骨が引っ掛かかり、ひざがロックする状況でした。
休み休み歩く感じで、階段の上り下りも本当にきつく大変でした。手術前の3カ月間くらいは特にひどくて、通学するのがとてもつらかったですね。
また、自分の席に一旦座ってしまうと、ひざを伸ばすことができなくて、すぐに立ち上がることもできず、とても大変な思いをしました。
あの頃は常にひざの曲げ伸ばしができなかったので、日常生活にも大きな影響がありました。
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自家培養軟骨移植術をどのように知りましたか
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TM:山﨑先生から教えていただきました。
- 手術前に自家培養軟骨移植術について調べましたか
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TM:診察室の前に置いてあったパンフレットを読み少し勉強しました。
母は「最近、保険がきくようになったらしい」と言っていましたので、母も何かで調べていたと思います。
- すぐに手術を受けようと思いましたか
- TM:先生から手術の話などを詳しくお聞きし、親とも検討した末に先生にお任せしようと決めました。
- 自家培養軟骨移植術を受ける前の不安などありましたか
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TM:「再生医療」という言葉は何かで聞いた記憶がありましたが、あまりピンときていなくて(笑)。
だから特に不安もなく、山﨑先生にお任せする感じでした。2回手術があるということも特に気になりませんでした。
手術後は、入院やリハビリで学校を休まなくてはならなかったですが、それも自分的には特に気にしませんでした。
もちろん親は色々なことを気にしていたと思いますが、自分はとにかくひざを何とかしたいという気持ちだけでした。
- 最初の関節鏡の手術(組織採取)について教えてください
- TM:入院期間は1週間でした。
- 手術後の傷や痛みはどうでしたか
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TM:手術後2日間程度は痛かったですが、その後は問題なかったです。
もちろん、曲げたり地面に足をつけることはできませんでしたが、次第に痛みも落ち着き、ロックするなどの症状は少しとれたような気がしました。
山﨑:1回目の手術では、培養のために軟骨を採取すると共に、半月板手術、そして剥がれた大きな骨片を取り除きました。
骨片が大きかったので、少し皮膚にメスをいれました。それなので通常の関節鏡手術よりは傷が少し大きかったです。
骨片を取ると一時的に症状はとれますが、TMさんのように軟骨が大きく傷んでしまった患者さんの場合は、
自家培養軟骨移植などでしっかり治療することが将来のためにはとても大切なことです。
- 手術前後のリハビリについて内容や頻度、期間を教えてください
- TM:手術後、2回目の手術までは、近所のスポーツ整形クリニックに通っていました。頻度は週に2回程度だったかと思います。
- 2回目の移植手術について教えてください
- TM:入院期間は2週間と少しでした。
- 1カ月間ではないのですね
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山﨑:当院では入院は2週間程度になります。患者さんも松葉杖で動けるのであれば帰宅されたいと思いますし。もちろん患者さんの経過症状にもよりますが。
- 手術後の傷や痛みはどうでしたか
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TM:はじめはひとりで左脚を全然動かせなかったです。痛かったですし、体重を支えることができませんでした。
山﨑:手術直後ですからね(笑)。TMさんの場合、手術後の腫れはなく経過はとても良好でした。
- 手術後のリハビリについて内容や頻度、期間を教えてください
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山﨑:術後1週で他動でひざの曲げ伸ばしを行いました。数日後には松葉杖を使い始めました。
慣れたころに松葉杖での退院を許可しました。退院後は、再度、クリニックでリハビリをお願いしました。
スポーツリハビリは老人の方のリハビリとは大きく違い、トレーニングの要素が多いので、スポーツリハビリに対応できるクリニックは少ないですが、
当院はいくつかの専門クリニックと病診連携をしています。
TM:週に2回を4ヶ月程度通いました。手術して半年でテニスの動きができるようになりました。
- 入院中に困ったことやつらかったこと、嬉しかったことを教えてください
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TM:やはりひざが曲げられなかったことです。当たり前ですが(笑)。
またお風呂に入れず、シャワーしかできなかったことも僕にはつらかったです。でも、日に日に調子がよくなっていったのは嬉しかったです。
- リハビリの際の不安やその克服方法があれば教えてください
- TM:良くなるのかというような不安は特にありませんでした。多分色々なことがうまく行ったのだと思います。順調に回復していきました。
- 日常生活に戻れたと感じたのはいつ頃ですか
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TM:完全にひざを気にしないというのはまだ無理です。痛くなくてもひざが気になって、ついかばってしまうこともあります。
でも、手術後1ヶ月ぐらい経って松葉杖が取れたころでしょうか。
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