星野 裕一 先生 <Hoshino Yuuichi>
- 神戸大学医学部整形外科
(インタビュー時:医療財団法人 神戸海星病院
スポーツ整形外科部長)
- 日本整形外科学会専門医
- 日本整形外科学会認定スポーツ医
- 自家培養軟骨移植術はどのような人が対象ですか
- 自家培養軟骨移植術は、従来の方法では治療が難しかった、大きな軟骨欠損に対しておこなわれる治療です。
その中でも、軟骨の欠損が外傷によって生じたもの。もう一つは、成長の過程で骨と軟骨が縞状に浮いてきてしまう軟骨欠損を対象にしています。
主には外傷を契機としての軟骨欠損になるので、スポーツ等でアクティブな10~40代が多いのですが、最近のマラソンブームなどもあって、40~50代の患者さまも増えてきています。
- この手術のメリットを教えてください
- 今まで治療ができなかった大きな軟骨欠損に対して治療ができるというのがいちばんのメリットと思います。
この手術のために培養した軟骨は、きちんとした軟骨として欠損部分をカバーでき、そして長持ちすると予測されます。そこもメリットであると思います。
私たちは、この手術をおこなえば、ひざは半永久的に持つと考えていますので、患者さまには、「治療とリハビリを頑張りましょう。その後はいい軟骨でカバーされますからね」と説明しています。
- 手術を検討している方へのアドバイスを
- ひざ軟骨欠損の症状を患者さまが自分で見つけるのは難しいので、違和感を感じたら、まず、私たち整形外科に相談していただきたいです。
そして、軟骨欠損であるとわかった場合でも「自家培養軟骨移植術」は、通常の保険診療で受けられますので安心してください。
この手術を受ければ、正常の軟骨で覆われた正常なひざの関節に近いものができますから、積極的に治療を受けていただけたらと思います。
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