ドクター・患者さんインタビュー

ドクター・患者さんインタビュー

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特に初日の夜は痛みで一睡もできなかったです。今でもトラウマです(笑)。 当時と比べれば、麻酔の技術も進歩していて、神経ブロック注射などで除痛処置してもらえます。 そのお陰で、術後大きな問題はありませんでした。
手術費用(実費)はどの程度でしたか。
CD:20万円くらいだったと思います。
手術前後のリハビリについて内容や頻度、期間を教えてください。
CD:手術前のリハビリは特にしていませんでした。 術後は、4週から部分荷重を始めて筋力トレーニングや可動域訓練を2ヶ月ほど行いました。 理学療法士の方に教えていただいて、自分でやってみるという感じでした。
入院中に困ったことやつらかったこと、嬉しかったことを教えてください
CD:とくに困ったことはなかったです。松葉杖も慣れていましたし。ただ、慣れていない人には難しいかもしれませんね。
リハビリの際の不安やその克服方法があれば教えてください
CD:やはり医師や理学療法士の指導内容を良く聞いてそれに従ってリハビリテーションを進めることですね。 体重の載せ方を理学療法士の方と一緒に習得していくこと。そして無理をしないこと。 頑張りすぎると腫れてしまいますので。焦らないことが大切です。私は少し無理をしても腫れませんでしたが、痛みは出ました。 特に術後1年間は「慌てず慎重に」ですね。 術後3ヶ月から6ヶ月ぐらいで症状が消えたからもう大丈夫ではないかと思って無理をすると後々に悪影響が出ます。 移植した軟骨を長持ちさせるためには大事にしましょう。 軟骨は筋肉や骨などの他の運動器組織とは違って、とにかく治りにくい組織なので要注意なのです。 ただ、どうしても早く復帰したいという患者さんに対しては、医師としては将来への影響をしっかりと説明した上で、 患者さんの希望に沿うようにリハビリを進めたいとは思っています。
日常生活に戻れたと感じたのはいつ頃ですか
CD:2ヶ月後ぐらいには通常になったと思います。
自家培養軟骨移植術を受けてよかったと思いますか
CD:術前の症状が改善しましたので受けて良かったと思っています。腫れと痛みが取れましたし、スポーツもできるようになりました。
今回の手術費用(実費)についてどう思いますか
CD:妥当だと思います。炎症や痛みを抑える多血小板血漿(PRP)療法などの自費診療とは異なり、この手術は軟骨を治せて、保険がききますし、高額療養費制度で負担は最小限になります。
自家培養軟骨移植術の長期成績はどうでしょうか
CD:長期成績ということは10年以上の結果ということになりますが、私の場合、あと3年で10年です。 現状を考えると患者としては悪くはない結果だと思っています。 今は少し痛みが出ますが、手術を受けた年齢や罹病期間(受傷してから手術までの期間)を考えれば100点満点中、 70-80点というところだと思います。 今後は、この手術と骨切り術(ひざの角度を矯正する手術)などを併用して、軟骨だけではなく、 O脚などのアライメントを整えて荷重環境を良くするなどトータルにひざを治療することで、 より治療成績が向上するのではないでしょうか。また、10代で軟骨を損傷した場合、早めに手術を受けた方のほうが、 より治療成績は良いと思います。 その理由として、若いからこその回復力の高さ、つまり、細胞の能力が高いということがあげられると思います。
本手術の有害事象はありますか。あればその対処方法を教えてください
CD:私の場合は移植部が剥がれたり、アレルギー反応が出るなどの有害な事象はありませんでした。 もし、移植後に痛みや腫れ、引っ掛かりなどの何か気になる症状がでたら、すぐに医師に相談してください。 早めに対応することが大切です。
リハビリテーションで気を付けたいことはありますか
CD:先ほども言いましたが、慎重に焦らずリハビリに取り組むことですね。 スポーツ復帰を無理に早めると5年後10年後に悪影響が出る可能性があります。 現状は一般的には、術後2週程度で可動域訓練(ひざを動かす)をはじめて、4週で荷重をひざにかけはじめるというプログラムだと思います。 もちろん治療の内容によっては時期が前後することはあります。 大事なことは、移植したところに過度なストレスがかからないように注意しながら、 ひざが固まらないよう、筋力が落ちないようにリハビリをしっかり行うことです。 移植された軟骨は適度な力学的刺激があったほうがよく育つからです。
日常生活に早く戻るためのアドバイスをお願いします

CD:患者さんによっては腫れや痛みが出やすい方もいらっしゃいます。 そのような場合には筋力が落ちて日常生活やスポーツへの復帰が遅れてしまいます。 ひざを触って腫れがあればすぐに医師に相談してください。 手術後は筋萎縮が必ずおこるので「筋力トレーニング」が大切です。 痛むからひざをかばってトレーニングしない方もいらっしゃいますが、 トレーニングしないと逆に痛みが残る場合もあります。特に太ももの前にある大腿四頭筋をもとに戻すことで、 ひざのストレスを減らし、痛みや炎症を抑えることが出来ます。リハビリに行った時にだけ頑張るのではなく、 日頃のセルフケアがとても大事なのです。
CDさん、有難うございました。(取材日:2021/8/20)

注)このグラフはCDさんに「症状」「痛み」「日常生活」 「スポーツやレクリエーション活動」「生活の質」について、 回復の程度を5段階に分けて聞き取りをした結果です。 例えば、「症状」の場合、質問が5つあり「ひざに腫れがありますか?」という質問に対し 「まったくない」「まれにある」「ときどきある」「ひんぱんにある」「いつもある」のどれかを答えていただきます。 「まったくない」という一番良い状態の回答が多ければ多いほど、 スコアは100に近づきます。つまり、グラフは、術前は低かったスコアが経時的に100に近づき改善されていることを示しています。 「症状」「痛み」「日常生活」と比べて「スポーツやレクリエーション活動」 「生活の質」の術前スコアが低いこともわかります。 しかし、1年、2年と経過をみますと80点から100点近くまで改善されています。

主治医:
弘前大学大学院医学研究科
整形外科学講座 教授 石橋 恭之先生

主な専門分野:
スポーツ整形外科、関節鏡視下手術、膝肩関節外科

http://www.hirosaki-u-ortho.jp/web/bureau_c.html

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