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Talk of a Doctor and a Patient

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落合 聡司 先生×植松 佑介 さん

自家培養軟骨移植術 ドクター×患者さん対談

植松 佑介 さん

きっと将来、
「あの時やってよかったな」
と思うのでしょうね。

植松 佑介 さん

「再生医療」自家培養軟骨移植術や新しい治療法で、
いまなら治る可能性がどんどん広がっている。

リハビリについて教えてください

植松:

ひざを曲げることからはじまり、荷重訓練などいろいろやってきました。特に辛かったことはないのですが、ひざまわりの筋肉が落ちていて、それを戻すことが大変でした。片足のスクワットのときなどブルブルしてしまい、曲げることができなかったことは少しショックでした。痛くはないのですが。
それぞれのメニューは、最初は違和感がありましたが、やっていくうちになれてきます。メニューのひとつにターンがあるのですが、はじめは手術をした右足では全然できなかったのが、だんだんできるようになってきて。
こうしたことからも回復しているなあと感じられて嬉しいです。でも、まだ右足と左足の筋力に差がある感じですね。あと、ひざに負担がかかるので体重を増やさないように食事に気をつけています。

リハビリについて教えてください
落合:

植松さんは、いまは3カ月に1度の通院、リハビリは当院ではなく、ご自宅近くの施設でおこなっています。当院では、遠方の患者さんがご自宅近くでリハビリができるように、リハビリをおこなう施設への紹介状とプログラムを用意しています。
そして紹介先の先生と密に連携をとり、情報交換をおこなっています。当院にも多くのリハビリの先生がおり、そのうち何名かはアスレチックトレーナーの資格も持っていますので、リハビリだけではなく、アスレチックトレーニングの見地からも、競技復帰までの指導をおこなっています。
特にひざの場合は、まわりの筋肉を鍛えることで、ひざに負担がかからないようにすることが大事なので、そうした指導をリハビリの延長線上でしっかりと指導するようにしています。
しかし植松さんは、体重まで気をつけているのはすごい。ぼくもそこまで指導していなかったと思います(笑)

自家培養軟骨移植術のメリット、デメリットについて教えてください

自家培養軟骨移植術のメリット、デメリットについて教えてください

落合:

最大のメリットは、患者さんご自身の組織を使うので、免疫拒絶反応がとても少ないことです。そして、従来では不可能であった関節軟骨に極めて類似した組織を移植できること。これはアテロコラーゲンを用いた三次元培養技術により、立体的に軟骨細胞を培養することで均等に軟骨細胞を欠損部に移植できるというものです。現在の治療法の中では非常に有効な方法と考えています。
デメリットは、移植手術が内視鏡ではできないことです。どうしてもひざを数cm切開しなければならない。これが内視鏡下でできるようになれば、患者さんの身体への負担が少なくなり大きなメリットになると思います。

ひざ軟骨のトラブルは自覚症状がない人も多いと聞きます。どんな症状に気をつけたらよいでしょうか

ひざ軟骨の治療に悩んだり迷っている方にアドバイスをいただけますか
落合:

症状がないけれど、ひざにトラブルがある方が結構いらっしゃると私も感じています。例えば、ひざの打撲で来院したが、離断性骨軟骨炎が見つかった方がいました。また、50代の方でしたが、かなり進行した変形性膝関節症になっており、それは学生時代の軟骨損傷を放置したことが原因だったということもありました。
ひざ軟骨のトラブルは、放置しておくと日常生活で少しずつ進行し、ある日いきなり骨軟骨が剥がれて急な手術を要するといった例も少なくありません。
また、剥がれなくても軟骨のトラブルの範囲が広がると若年者でも高齢者に多い変形性膝関節症に移行していくこともあります。その場合は治療がどんどん難しくなっていきます。
痛みではなく違和感がある。たとえばひっかかり感、ひざの中で音がする、水がたまる、ひざが十分に曲がらない。当院ではそういった軽い自覚症状でいらっしゃる方も多いですから、気がねなく来院していただければと思います。
治療についても、すぐに手術ということはありません。手術しなくても、数カ月間安静にして保存的に治せる症例も多くあります。早期発見で、しっかりとした治療を施すことが大事です。
しかるべき時期にしかるべき治療をすることです。

ひざ軟骨の治療に悩んだり迷っている方にアドバイスをいただけますか

ひざ軟骨の治療に悩んだり迷っている方にアドバイスをいただけますか

落合:

以前は治せなかった方、もういいやと諦めてしまっている方にぜひお伝えしたいことは「医療は日進月歩で進化しています」ということです。自家培養軟骨移植術をはじめとした再生医療を用いた新しい治療法がでてきて、治る可能性がどんどん広がっています。
再生医療は一般の方々には馴染みがないかもしれませんが、「再生医療で自分の細胞を増やして治療できる」と患者さんに紹介すると、「そんな方法があるんだ」と驚きながらも治療を望まれることも多く、私たちも、安全性、身体への負担、拒絶反応等々を考慮した上で、より安心して治療を受けていただける環境づくりに励んでいます。専門の医療施設であれば、より適切な治療を受けることが期待できますので、諦めずにいちど来院してみてください。

植松さんからもアドバイスをお願いします

植松さんからもアドバイスをお願いします
植松:

このケガを治す方法が昔はなかったと聞きました。でも自分はこの方法で治せるんだ、サッカーに復帰できるんだと思ったら、ほんとうに嬉しくなりました。
最初は、復帰まで時間がかかるので、ほかに方法はないのかなと思ったりもしましたが、いまここまで回復して、もとに戻ることができると思えるので、きっと将来「あの時やってよかったな」と思うでしょう。だからもし迷っていたら、いま治しておいたほうが絶対いいと思います。

落合:

本当にそうですね。アスリートの方は、やはりケガによってドクターストップをかけられてしまうことがいちばん怖いと思います。
でも、我々の使命はスポーツ寿命を長くすることです。私たちもなるべく早く復帰できるように最善の努力を尽くします。ぜひ、私たちを最大限に利用していただければと思います。
植松さんも、これだけ真面目に治療に専念してくれているので、復帰後が楽しみです。中学の時から期待されている選手なので、きっとこれから大活躍すると思います。
ケガから復帰し、再びプレーしてくれることが私たちにとって何よりのご褒美ですからね。

本日はお忙しい中、本当にありがとうございました
(2017.11.16 甲府病院にて)

本日はお忙しい中、本当にありがとうございました

本日はお忙しい中、本当にありがとうございました
(2017.11.16 甲府病院にて)

独立行政法人国立病院機構 甲府病院

独立行政法人国立病院機構 甲府病院
病院長 萩野 哲男 〒 400-8533 山梨県甲府市天神町11-35

明治42年に甲府衛戌病院として創設され、昭和20年に国立 甲府病院として発足。
平成16年に国立病院機構 西甲府病院と統合して、現在に至る。
成育医療として、NICU・GCU(未熟児後方病床)9床、産科病床20床を有し、山梨県の地域周産期母子医療センターに指定されており、山梨県の小児救急医療病院群輪番制及び甲府・中巨摩地区の救急医療病院群輪番制にも参加し、山梨県の救急医療に貢献している。また、重症心身障害及び小児神経疾患に対する専門医療、さらに糖尿病、高血圧、高脂血症等の生活習慣病及び内分泌疾患に対する治療、消化器疾患に対する治療(腹腔鏡下での手術含む)もおこなっている。
平成19年(2007年)6月には整形外科にスポーツ・膝疾患治療センターを開設。スポーツが原因の障害(ケガ)、特に膝関節疾患の治療を積極的におこなうことを目的とし、アスリートを中心に多くの患者さんのために積極的に活動している。看護師や医学部の学生、ならびに理学療法士などパラメディカルのための教育活動も提供。さらに、膝の内視鏡を駆使した関節鏡手術に関わる調査・研究を進め、常に最新の医療が提供できるよう努力している。患者さんの早期復帰を目的に、メディカルチームを作って、コミュニケーションを大切にし、内視鏡による体に優しい治療を目指している(関節疾患に対する内視鏡手術は年間775件で、膝靱帯再建術は山梨県内で最多)。

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