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自家培養表皮について
- Q1 自家培養表皮とは何ですか?
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患者さんの健康な皮膚を切手くらいの大きさで切り取り、これを必要な大きさまで培養して患者さんに戻す方法が「自家培養表皮」移植です。
表皮細胞を培養するためには、グリーン教授ら(※参照リンク)
が開発した特殊な細胞「3T3細胞」を下敷きとして、抗生物質や動物由来の原料が用いられます。
この方法により表皮細胞だけを安定的かつ計画的に増やすことができます。
2週間程度で体表の約10%、3~4週間程度の培養で体表全面を覆う自家培養表皮の細胞シートが作成できます。
日本で使用される細胞シートは、1枚の大きさが「8㎝×10㎝=80㎠」で、およそ20枚で大人の体表面積の約10%を覆うことができる大きさになります。
- Q2 どのような疾患に使えるのですか?
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重症熱傷(体表面積30% 以上の深いやけど)、
先天性巨大色素性母斑(大きなあざ)、
表皮水疱症(接合部型と栄養障害型)、
白斑、傷あとなどに使われています。
- Q3 保険は使えるのですか?
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「重症熱傷(体表面積30% 以上の深いやけど)」、
「先天性巨大色素性母斑(母斑:大きなあざ)」、
「表皮水疱症(接合部型と栄養障害型)」は保険適用になります(2023 年7 月現在)。
その他の疾患については自由診療で、
治療を実施する医療機関は限られます。
また、高額療養費制度の対象にもなりますので、患者さんの費用負担は軽減されます。
高額療養費制度については
こちらをご覧ください。
患者さんがお子さまの場合には、こども医療費助成制度、表皮水疱症については「指定難病」の助成の対象となります。詳しくはお住いの地方自治体の窓口にお問い合わせください。
- Q4 どんな手術方法になりますか?
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どの疾患でも患者さんの患部の皮膚の状態を整えた後に、自家培養表皮を移植する手術になります。
- Q5 手術後の回復や生活はどうなりますか?
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自家培養表皮は大変薄く脆いので、患部はガーゼなどでしっかり保護され、最低5日から7日程度は触ることはできません。
上層のガーゼは常に清潔にします。術後約1 ヶ月は患部に刺激を与えないように特に注意します。
その後は清潔と保湿を心がけます。傷が治る過程でかゆみが強い場合にはかゆみ止めのお薬や軟膏が処方されます。
- Q6 今までの術後成績は良いのですか?
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「重症熱傷」では、販売後の使用成績調査が全例で7 年間実施され、厚生労働省がその結果を審査して製造販売の継続が認められました。
「母斑」と「表皮水疱症」についても同様で、使用成績調査が全例で実施されています(2021 年7 月現在)。
治験(販売前臨床試験)結果については添付文書で公開されているとおりで、厚生労働省により有効であったと判断され、製造販売が承認されています。
(※参照リンク)
- Q7 どこの病院で治療を受けられますか?
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「重症熱傷」については、広範囲のやけどを治療できる体制が整った病院に限られます。
「母斑」と「表皮水疱症」は、全国の医療機関で受けられます。
ただし、表皮細胞シートによる治療を行うかどうかは 医師・医療機関の判断となりますので、お近くの専門医(形成外科医あるいは皮膚科医)にまずはご相談ください。
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メラノサイト含有自家培養表皮について
- Q1 メラノサイト含有自家培養表皮とはなんですか?
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メラノサイト含有自家培養表皮は患者さんの正常な皮膚組織から細胞を取り出し、培養して作製する表皮細胞シートです。
グリーン教授らの報告で用いられている「3T3細胞」を用いて、採取した細胞を「自家培養表皮」とは異なりメラノサイトを保持したまま、約5週間培養します
- Q2 メラノサイト含有自家培養表皮移植の対象となるのはどんな患者さんですか?
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メラノサイト含有自家培養表皮の適応は、非外科的治療が無効又は適応とならない白斑です。
具体的には12ヶ月程度症状が固定した尋常性白斑、Vogt-小柳-原田病もしくは化学物質による完全脱色素斑、又はまだら症などの先天性異常による完全脱色素斑です。
- Q3 メラノサイト含有自家培養表皮による治療はどのような流れですか?
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メラノサイト含有自家培養表皮による治療では、皮膚組織の採取と表皮細胞シート移植の2種類の手術が行われます。
まず初めの手術ではメラノサイト含有自家培養表皮を作製するために患部を含まない正常部位から切手大(1cm2以上)の皮膚を採取します。
採取した皮膚組織は工場に運ばれ、約5週間で表皮細胞シートが完成します。2回目の手術では、メラノサイト含有自家培養表皮を移植します。
表皮細胞シートを移植する際は白く色が抜けている部位の表皮を薄く削りとり、その上に表皮細胞シートを移植します。
- Q4 術後のフォローや入院日数はどうなりますか?
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準備中です。
- Q5 白斑にはメラノサイト含有自家培養表皮を用いた治療以外にも治療方法がありますか?
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尋常性白斑など後天性白斑の進行期※1の治療ではまず、ステロイド等を用いて自己免疫的な反応を抑制し、メラノサイトが炎症反応により減少するのを防ぐ治療が行われます。
また、残ったメラノサイトの機能を最大化するために紫外線を吸収しやすくする薬物の摂取・塗布と紫外線照射を組み合わせることでメラニンの分泌を増加させる治療も行われています。
一方、メラノサイトが完全に失われていることでこれらの非外科的な治療が無効な場合や、安定期※2の白斑に対しては、白斑部にメラノサイトを供給し、治癒を目的とする自己細胞を用いた皮膚移植療法を行います。
自己細胞を用いた外科的治療法には、剃刀やメス等で移植片となる分層皮膚を採取して移植する方法(分層植皮術)や、注射筒等で皮膚を吸引して水疱を形成させ、水疱化した表皮移植する方法(吸引水疱蓋形成術)、
病変部と正常部から皮膚を採取し、正常部の皮膚を病変部へ移植する方法(点状全層皮膚移植術)があります。
※1白斑部の面積が拡大している状態
※2白斑部の拡大が12か月程度止まって面積や形が固定する状態
- Q6 これまでの治療方法と何がちがうのですか?
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一般的に、後天性の白斑治療としては、ステロイドなどの外用薬の塗布や光線療法が行われています。
しかし、それらの治療をしても効果がない難治性の場合があります。
難治性でかつ面積や形の変化が静止した白斑には、患部と同等の大きさの正常な皮膚を患者さん自身から採取して患部に移植する(自家植皮)外科的治療が選択肢となります。
自家植皮の場合は同じ面積の正常皮膚が必要となり、患者さんへの侵襲が大きいことや、広範囲を治療することが難しいなどの問題点があり、課題とされていました。
メラノサイト含有自家培養表皮を用いた治療では、少量の皮膚組織を用いて細胞を増やしてから治療を行うため、患者さんへの侵襲が少なく、かつ一度に広範囲の治療を行うことができ、
難治性の白斑に対する新たな治療の選択肢となることが期待されています。
- Q7 今までの術後成績は良いのですか?
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メラノサイト含有自家培養表皮は、治験の結果、厚生労働省により安全かつ有効であったと判断され、製造販売が承認されています。治験結果は添付文書で公開されています。
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/saiseiDetail/ResultDataSetPDF/340938_4900X0000181_A_01_01
- Q8 メラノサイト含有自家培養表皮による治療は保険がききますか?
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準備中です。
- Q9 どこの病院で治療を受けられますか?
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準備中です。