皮膚の再生医療について、日本では2007年から始まった皮膚の再生医療についてご紹介します。

表皮水疱症の治療

表皮水疱症(ひょうひすいほうしょう)の治療

皮膚の構造 表皮水疱症(ひょうひすいほうしょう)とは、日常生活の少しの刺激や摩擦で皮膚や粘膜のびらん(ただれ)や水疱(水ぶくれ)を生じる遺伝性の皮膚病です。人間の皮膚は大きく3層に分かれ、 表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」で構成されます。表皮と真皮の間には接着の役割を持つ基底膜があります。表皮水疱症はその基底膜を構成するタンパク遺伝子の変異によるものとされています。 そして、遺伝形式と水疱が発症する皮膚の層の位置によって大きく3 つの病型に分けられます。 1. 表皮内に水疱ができる「単純型」 2. 表皮と基底膜の間にできる「接合部型」 3. 真皮にできる「栄養障害型」です。表皮水疱症には、水疱、びらんの他に瘢痕、栄養不足や貧血などさまざまな症状があり、 それぞれに対して治療がおこなわれますが、これらの治療は対症療法であり、この疾患を治すものではありません。「自家培養表皮」は、2. 表皮と基底膜の間にできる「接合部型」と、 3. 真皮にできる「栄養障害型」の治療に用いることができます。手術方法は他の治療と同じように、患部を整えた後に「自家培養表皮」を貼っていくものです。

保険の適用について

保険適用

「自家培養表皮移植」は、2023年7月現在、「重症熱傷」、「先天性巨大色素性母斑」、 「表皮水疱症(接合部型と栄養障害型に限る)」の治療で保険が適用されます。 また、高額療養費制度の対象にもなりますので、患者さんの費用負担は軽減されます。

保険適用 高額療養費制度については こちらをご覧ください。 患者さんがお子さまの場合には、 こども医療費助成制度、表皮水疱症については「指定難病」の 助成の対象となります。 詳しくはお住いの地方自治体の窓口にお問い合わせください。

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