ヴィクトリーナ姫路 チームメンバーズ インタビュー

ヴィクトリーナ姫路インタビュー

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ヴィクトリーナ姫路
チームメンバーズ インタビュー

ヴィクトリーナ姫路 メディカルトレーナー
永冨 悠也 氏 <Nagatomi Yuya>

プロバレーボールチームのトレーナーとはどんな内容の仕事なのですか。
トレーナーにはいくつか種類があります。体の治療をメインにおこなうメディカルトレーナー。パワー面の強化をおこなうストレングストレーナー。さらに、メンタルトレーナーや食の栄養アドバイスなどをおこなうトレーナーがいます。私の専門はメディカルであり、選手のケアや治療をしながら、よくないところをトレーニングで指導しています。立場としては、メディカルトレーナーなのですがトレーニングにも深く関わり、トレーニングメニューを組み立てたりしています。
逆瀬川選手のトレーニングはどのようにおこなっていますか。
ストレングスのトレーナーは別にいますので、私は重いものを持ったりするトレーニングではなく、選手の動き、姿勢などをメインに指導しています。人間は常に動いているので、その動作に問題があり、痛みが出ればそれを正しくしていくことが重要になります。ひざについてですが、経験から言うとひざの痛み、関節の痛みなどは、骨・関節部分に問題があるのではなく、使い方に問題がある場合が比較的に多いです。その悪いところを評価(検査)することから始め、順序立てて直していくことが大事だと考えています。家でいうと土台の部分ですね。土台が悪ければ、どんなトレーニングをしても無理な負担がかかってしまいます。
逆瀬川選手の場合もまず、ひざに無理な負担がかからない動きをしてもらうために、今までの悪いくせを矯正するところから始めました。体全体のバランス、中心軸など、いわゆる体幹トレーニングをメインにおこなっています。ひざを直接触るようなトレーニングではなく、体全体でひざをフォローアップできるようなメニューです。
また、ひざに負担のかかる重い運動をさせず、加重トレーニングも軽めにおこなうようにして、痛みがあったらやらなくていい、休んでいいといっています。
具体的にはどのようなトレーニングですか。
例えばスクワットを例に出すと、まず正しい姿勢がキープできるところまでしゃがんでもらいます。ひざが悪い人は深くしゃがませてしまうと痛みが出てしまいパフォーマンスが落ちてしまいますので、痛みが出ないところまでしゃがんでもらい、そこまでの綺麗なフォームを体に覚え込ませます。これにより筋肉や骨格などに負担がかからず、バランスの良い体づくりができます。
バレーボール選手用のトレーニングなどはあるのでしょうか。
バレーボールというより、まず男性と女性では体の構造が違います。女性は骨盤の形状により、ひざが内側に入りやすい構造になっています。いわゆるX脚になりやすい構造です。ですから、プレー中に靱帯を切るなどの大きなケガをする可能性が男性よりも高いです。こうした構造的なことを考えながらトレーニングメニューを組み立てていくことを大事にしています。
現在、逆瀬川選手のコンディションはいかがですか。
逆瀬川選手は、まだコンディションに少し波があるかもしれません。しかし正しいトレーニングを継続することで調子は良くなります。その継続がかなり大事で、例えば良い姿勢で歩こうとすると、常にそれを意識していないと、ついつい自分の楽な姿勢で歩いてしまいますよね。それではダメで、いつも良い姿勢を心がけることで体の負担が少なく体力的にも楽になります。バレーボールのトレーニングも常に良い姿勢や体全体のバランスを意識したトレーニングをおこなうことで、コンディションが保てます。
逆瀬川選手の場合も、ひざの調子が良くなって、意識しないようになると、つい昔の負担が大きいフォームでプレーしてしまうことがあるようです。
アマチュアをはじめとしたアスリートにアドバイスをいただけますか。
さまざまなスポーツや個々のランクがあるので一概にはいえませんが、呼吸法は大事です。人間は1日30,000回の呼吸をします。でも前のめりの姿勢だと呼吸は浅くなり、筋肉が硬くなってきます。きちんとした呼吸法はスポーツをする上で非常に大切です。またスポーツを始める前に、ストレッチを入念におこなうことも大切。次に、ジョギング、ランニング、ダッシュという順番で徐々に体を慣れさせていくこと。運動を始める前に、自分の体を運動できる状態に仕上げていくことをお勧めします。
再生医療についてどう思われますか。
再生医療が発展すれば、健康寿命は延びると思います。そして、患部を治療した後も正しいトレーニングをおこない、体全体を鍛えることで再発させないことが大事だと思います。最近は体の使い方を変えることで、日本人も世界で活躍できるようになってきました。医療の分野と私たちのようなトレーニング分野が一緒になって、さまざまな方をサポートできたらいいですね。
今まではケガでリタイアしていたような選手も、こうした再生医療で体を治し、さらに強くなって戻ってくる。そんな時代がくると嬉しいです。
ありがとうございました。

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