再生医療についての色々な情報
「再生医療」とは、病気や事故などによって失われたカラダの組織や臓器の再生を目的とした新しい医療技術です。 中でもすでに医療現場で実用化されているものに、「ティッシュエンジニアリング」というものがあります。 皮膚や軟骨、心筋、角膜などですでに実用化されており、患者さんへの恩恵が大きい再生医療の技術のひとつとして注目を集めています。
再生医療と聞くと先進的なイメージが強く、治療を受けたくても公的医療保険は適用されないと思われがちですが、
日本では公的医療保険が適用される治療法があります。
たとえば、重症のやけどの患者さんや生まれつき大きなあざがある患者さん、
難治性又は再発性のびらん・潰瘍がある患者さんに対して、患者さん自身の皮膚の一部を培養して作られた表皮を移植する方法や、
ひざの軟骨が大きく欠けてしまった患者さんに対して、患者さん自身の軟骨の一部を培養して作られた軟骨を移植する方法、
目に薬品などがかかって黒目が白く濁ってしまった患者さんに対して、
患者さん自身の角膜の一部もしくは口の中の細胞を培養して作られた角膜上皮を移植する方法などです。
治療が受けられる病院は限られていますが、公的医療保険が使えるということは、国がこれらの治療方法を審査して承認しているのです。
再生医療は新しい治療技術であるため、その臨床応用や、企業が製品(再生医療等製品)として承認を受けることについては、
大変慎重に進められていましたが、再生医療を安全に早く広めようという法律が2014年11月25日に施行されました。
これにより、国民の皆さんが再生医療の恩恵を受ける機会が増え、治療の選択肢が増えています。
2024年4月現在で20種類の再生医療等製品が承認されています。
(参考リンク)
一方で、保険が効かない自由診療(診察・検査・投薬・入院料等の全額を自己負担)下でおこなわれる再生医療もあります。
これらの治療は、国から設置の承認を受けた特定認定再生医療等委員会、認定再生医療等委員会が主体となって審査し、
医師の説明を受けて、患者が同意し実施されます。例外として、国が「先進医療」と認めた治療法については、
その治療法にかかる費用以外の通常治療と共通する部分の費用に保険が使えます。