治療スケジュール

自家培養軟骨移植術について

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  • 損傷事例と手術事例
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  • 治療スケジュール
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ドクター・患者さんインタビュー

治療スケジュール

受診からリハビリまでのおおよそのスケジュール

記載されるスケジュールはおおよその目安です。
患者さんの症状や病院の方針などで変更される場合もあります。

1 外来/アレルギー検査

病院外来にてアテロコラーゲン皮内テスト、牛肉アレルギー検査などをおこないます。4週間程度観察し、陽性と診断された方は自家培養軟骨移植術を受けることはできません。

2 採取入院/採取手術

患者さんの軟骨組織を培養するための軟骨の採取(0.4g)をおこないます。関節鏡による手術になり、手術時間はおよそ30~40分程度、入院期間は1日程度です。

採取入院/採取手術

3 自家培養軟骨の作製(こちらは患者さんの入院とは別の作業です)

アテロコラーゲン(コラーゲンの一種)と混ぜて培養します。
約4週間かけて「自家培養軟骨」を作製します。

アテロコラーゲン

4 移植手術

約4週間かけて培養された患者さんの培養軟骨を欠損部分に移植します。全身麻酔でおこなわれます。手術時間は症状により差がありますがおよそ2時間程度になります。

移植手術

5 リハビリテーション

手術後は早めにリハビリテーションがはじまります。装具固定、可動域訓練、荷重歩行、筋力トレーニング、協調性トレーニングなどがあります。病院内のおよそ1カ月間の入院中、治りに合わせてリハビリメニューが決まります。退院後もリハビリを半年から1年程度おこないます。

(詳しくはリハビリテーションページをごらんください)

移植手術のおおよそのスケジュール

手術に関してのFAQ

Q 自家培養軟骨移植術は、技術的に難しいものなのでしょうか?
自家培養軟骨移植術は、厚生労働省が定めた基準を満たした医療機関で、研修を受けた医師がおこないます。新しい治療法ですが、手術の難易度は既存の治療を上回るものではありません。
Q 自家培養軟骨移植術の手術にはどれくらいの時間がかかるのでしょうか?
軟骨組織を採取する手術は関節鏡でおこないます。軟骨組織の採取のみの場合は 30-40分程度ですが、その他の処置も同時におこなう場合は数時間を要する場合もあります。移植手術は患部を切開しますので、2時間程度かかりますが、その他の処置が併用される場合は更に時間がかかります。
Q この治療を受けた場合、最短でどれくらいで社会復帰できるのでしょうか?
患者さんのひざの状態や社会復帰された後の活動性にもよりますが、デスクワークなどのひざに負担のかからないお仕事であれば早ければ2カ月ほどで復帰できると考えられます。
Q この治療を受けた後に、同じ足にもう一度この治療を受けることはできるのでしょうか?
受けられます。反対側の足も受けることができます。
Q 自家培養軟骨移植術の長期の結果はよいのでしょうか?
日本国内でおこなわれた治験(販売前の臨床試験)の6年の追跡調査では、評価された全ての症例で懸念するような症状はみられず、移植前と比較して膝スコア(痛みや機能の評価)とMRI所見ともに改善し維持されていました(J Orthop Sci 14:413-424(2012)。
Q 自家培養軟骨は移植後、どれくらい長持ちするのでしょうか?
自家培養軟骨移植術は、2013年4月から保険診療が可能となって以降、全ての症例で追跡調査がおこなわれていますが、その結果はまだ出ておりません。今後、国によって審査されますが、それ以外にも臨床医が医学会等においてその効果を検討しているところです。

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