歴史と開発背景

自家培養軟骨移植術について

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歴史と開発背景

軟骨組織はケガなどで一度損傷を受けると自然には治らない組織です。このことは1743年にHunterという医師が述べており、昔から知られていました。軟骨は無血管の組織で細胞密度も低いことから、「外傷性軟骨欠損症」や「離断性骨軟骨炎」による軟骨欠損は根本的な治療がむずかしいのです。しかし、動物実験において培養した軟骨細胞を用いて、軟骨欠損を修復できる可能性が示唆され、これを受けて、スウェーデンのBrittberg教授たちにより「自家培養軟骨細胞移植術」の臨床応用がおこなわれました。1994年のことです。この方法は米国のGenzyme Tissue Repair社をはじめ、欧州や韓国の企業でおこなわれています。

この方法は、根本的な治療方法がなかった軟骨欠損症に再生医療を応用した画期的な方法でしたが、いくつかの欠点もありました。
「分離した軟骨細胞を単層(平面)培養で増殖させるため、軟骨細胞が次第に基質産性能を失う可能性があること」「欠損部への細胞の投与は、骨膜で欠損部を覆ったのち細胞懸濁液の状態で注入することから、術後に細胞が漏出する可能性があること」「注入した軟骨細胞が重力の影響で、偏在する可能性があること」でした。

これらの問題を島根医科大学整形外科の越智教授(現広島大学学長)は、形成外科領域で使用され、安全性が明らかになっていたアテロコラーゲンをスキャホールド(細胞の増殖を促して構造を保持するための環境)に用いることを考案しました。この方法は、患者さん自身の軟骨細胞をアテロコラーゲンに包埋して3次元の培養軟骨を作成して移植するもので、1996年に大学の倫理委員会の承認を得て臨床研究が開始されました。臨床での効果を確認した後、この技術を広く普及するため1999年、(株)ジャパン・ティッシュエンジニアリング(J-TEC)に技術移転することを決意し、以降は共同研究をおこないました。

自家培養軟骨

2001年、自家培養軟骨はJ-TECにより、国に治験前確認申請が提出され、2004年にその適合の確認を受けて治験を開始。
治験では、ひざまたはひじにおける外傷性軟骨欠損症、離断性骨軟骨炎、変形性関節症を対象として非対称非盲検試験でひざ30例、ひじ2例に移植されました。しかし審査の過程でひじは例数が少ないために除外。変形性関節症は、外傷性軟骨欠損症、離断性骨軟骨炎と病因が異なるという判断で適応から除外されました。
その結果、24例が評価の対象とされ、適応は「ひざ関節における外傷性軟骨欠損症または離断性骨軟骨炎(変形性関節症を除く)の臨床症状の緩和。ただし、他に方法がなく、かつ軟骨欠損面積が4平方センチメートル以上の軟骨欠損部位に適用する場合に限る」となりました。

2007年に治験を終了したのち、2009年に製造販売承認申請をおこない、2012年に日本で初めての培養軟骨として製造販売承認を取得しました。
そして、2013年4月には保険適用が開始されました。

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