回復について3(生活スタイル)

自家培養軟骨移植術について

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ドクター・患者さんインタビュー

回復について3(生活スタイル)回復について 3

3.生活スタイル

手術・入院・退院後の生活についてご説明します。
※あくまで標準例のため、必ず医師の判断に従ってください

入院前

術後の回復を早めるため、手術まで足の筋力を鍛えておきます(特に手術前の4週間)。

手術直後

上半身は起こすことができますが、ベッドの上での安静を求められます。麻酔が切れると患部が痛み、患者さんによっては気分が悪くなったり、熱が出たりする場合もありますが、適宜、痛み止めを使います。食事は手術翌日から始まり、家族などとの面会も可能です。

2〜7日目

術後2日目からリハビリが始まります。医師または理学療法士により、ひざの曲げ伸ばし訓練などをおこないます。

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ベッドから起き上がり、車イスで移動することができます。患者さんによっては、歩行器を使った歩行も可能です。食事は普通食で、制限はありません。抜糸は術後1〜2週間ほど経過してからです。抜糸後はシャワーが可能です。

1〜4週目(移植した軟骨の硬さ:ゼリー)

移動は松葉杖を使用します。リハビリは、さまざまなメニューがあるため、1日に何度もリハビリルームに行くこともあります。

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入院中は、ひざ周辺の筋肉だけではなく、他の筋肉も衰えてくるので、さまざまなトレーニングをおこないます。運動量も多く、汗をかくほどのトレーニングもあります。食事は普通食で、飲食は自由にとることができます。ひざや傷口の状態は毎日確認されます。傷口の治りに合わせて痛みも弱くなっていきます。術後4〜6週経つと退院できます。退院前に、自宅でのリハビリや生活についての指導を受けます。

4〜10週目(移植した軟骨の硬さ:ゼリー)

退院後、自宅ではひざ軟骨の成熟に注意した生活をおこないます。ひざに負担の掛かる「急な動作」は避けるようにします

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「急な動作」とは、「急に立ち上がる」「急に方向転換する」などを指します。また、ひざに掛かる負担から「階段の上り下り」「正座」「あぐら」「床に座る」などの動作も避け、椅子とベッドを利用した生活が推奨されます。仕事復帰は、デスクワークであれば、術後約8週目から始めることができます。会社内や通勤途中では杖の利用をおすすめします。通院は、週1〜2回くらいの割合です。リハビリは自宅以外では、病院のリハビリルームや近所の施設に通っておこないます。リハビリメニューや日程は病院との連携により決められます。車の運転なども医師にご相談ください。

3〜6カ月目(移植した軟骨の硬さ:ゼリーからパン生地)

手術前の日常生活が段々と戻り始めるころです。「階段の上り下り」や「床に座る」なども、ゆっくりならできるようになります

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左右の脚の筋肉差がまだあると思われる場合は、体幹を意識した歩行やリハビリを中心におこないます。この時期も、駆け足やジャンプは禁止です。回復経過が良いと、つい無理をしがちですが、「自家培養軟骨」がまだ完全に定着していないことを念頭に置き、無理のない生活を送ってください。この時期の通院は、週1回くらいの割合です。

6カ月〜1年目(移植した軟骨の硬さ:パン生地から消しゴム)

患者さんの年齢や手術前の状態(併用治療含む)などにより回復状態は変わります。

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回復には個人差があります。他の患者さんの情報で一喜一憂せず、マイペースに、心を穏やかに保つことも大切です。スポーツへの復帰は、術後6カ月以降に検討します。ひざへの負担が少ない「サイクリング」「水泳」などは術後6カ月から、「ジョギング」や「軽いジャンプ」は9カ月以降から検討します。ただし、競技への復帰は術後1年経ってから検討を始めます。
仕事は、「歩くことが多い仕事」「立っていることが多い仕事」もできるようになってきますが、回復具合に合わせて、医師と話し合ってください

F A Q(再生医療ナビFAQを引用)

Q 「自家培養軟骨」移植後は、長い期間が経過してもひざの状態はよいのでしょうか?
日本国内でおこなわれた治験(販売前の臨床試験)の移植後6年の追跡調査では、評価された全ての症例において懸念するような症状はみられず、移植前と比較して膝スコア(痛みや機能の評価)とMRI所見ともに改善し維持されていました(J Orthop Sci 14:413-424(2012)。

Q 「自家培養軟骨」は移植後、どれくらい長持ちするのでしょうか?
「自家培養軟骨移植術」は、2013年4月から保険診療が可能となって以降、全ての症例で追跡調査がおこなわれていますが、その結果はまだ出ておりません。今後、国によって審査されますが、それ以外にも臨床医が医学会等においてその効果を検討しているところです。

スポーツ復帰:一般的には、サイクリングのような衝撃が少ないスポーツは6カ月目から、ジョギングは8~9カ月目から、ダッシュ・ジャンプは8〜9カ月以降、競技復帰は1年以降から許可されますが、患者さんの移植された軟骨やひざの状態により医師が最適な復帰の判断をします。

退院後の注意:移植された軟骨は退院時にはまだ硬さが十分ではありませんので、日常生活でひざに過度な負荷が掛からないように注意しましょう。
「階段昇降時に気をつける」「しゃがみこみを避ける」など。

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