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AYさん|ドクター・患者さんインタビュー

ひざ

自家培養軟骨移植術を受けられた患者さんや、手術をおこなったドクターへのインタビューです。

患者さん

AYさん

●30代/男性

●職業:製品管理業務(物流)、現在は福祉系の会社で介助業務

●スポーツ歴:高校からバスケットボール、現在は地元の社会人バスケットボールチームに所属し、週に1回程度練習している。

●ひざの病歴: 過去にけがはなかったが、2018年2月頃に右ひざが痛くなった。 冬だったのでスポーツ前の準備不足によるもので、すぐに治るだろうと様子をみた。 その後ひざの腫れが気になってきたため、近くの整形外科を受診。 医師からは「水が溜まっているので抜きますか」と言われたが、周りから「水を抜くとクセになる」と聞いていたため、水は抜かず、安静にすることとした。 その後は、バスケットボールをすると腫れて2-3週後に落ち着くという状況を繰り返していた。 2018年10月、痛みがひどくなり、先輩から「過去にひざの治療をおこなった経験がある。スポーツ整形なら高島平はどうか」 という助言をもらいスポーツ整形がある高島平中央病院の元島先生を受診する。 元島先生からは初診で「ひざの状態がとても悪く、このままだと40から50代になると杖を使わないと生活することができないレベル」と診断される。 治療時に水を抜いてみたら血が出てきて大変ショックを受けた。

 

●2019年3月(35歳)軟骨採取

●2019年4月 自家培養軟骨と自家骨軟骨柱を右ひざ(7㎠)に移植

ドクター・患者さんインタビュー バスケットボールのユニフォームを着ているAYさんの顔アップ画像
  • こんにちは、本日はよろしくお願いいたします。手術は2019年4月でしたね、現在の生活はいかがですか。

    AY:もう2年半経ちますね。現在はひざの痛みもなく日常生活で不自由を感じることはなくなりました。仕事も問題なくできています。

  • 自家培養軟骨移植術をどのように知りましたか

    AY:主治医の元島先生から聞いてはじめて知りました。

  • 手術を決心した際のことを教えていただけますか

    AY: とにかく痛みや不自由さを解消するためには手術を受けるしかないと。 元島先生からさまざまな説明を聞いて「今やらなければ」と決心しました。 ただ会社を長期間休まなければならなかったので、そこがとても気がかりでした。

  • 手術前に自家培養軟骨移植術について調べましたか

    AY:病院でいただいたパンフレット(ケガと手術の説明、体験者インタビューの記事)などで少しですが調べました。 休暇の件も、元島先生からのお話とパンフレットを参考にしながら検討しました。

  • 自家培養軟骨移植術を受ける前の症状や状態を教えてください

    AY: 私の場合は、「ひざを曲げる時に骨同士がぶつかり合って骨を削ってしまっている」と先生からお聞きしました。 当時は日常でもしゃがむことができなかったため、そういった作業をするような時は床に座りこみ、足を延ばして行っていました。 靴紐を結ぶ時なども、段差を利用するか椅子に座っておこなっていました。 趣味のバスケットボールの試合や練習をした後は、ひざがパンパンに腫れ上がり曲げることができず、睡眠時も痛みに苦しめられました。 元島先生を訪れる前の9月から10月頃には、痛みで寝返りも難しかったですし、激痛で目が覚めて眠れない日もありました。 ひざを伸ばしていてもずっとズキズキ痛む感じが日常でした。また、夏から秋に季節が変わると痛みがひどくなりました。 雨が降ると特に痛みが強かったですね。元島先生に診ていただき、ひざの水を抜いた時に大量の血が出てきた時にはとてもびっくりしました。 自分は、水ではなく血なのかと!長い間、水を抜かずに我慢していたこともあり、私のひざは相当ひどくなっていたようです。 そもそも、ひざに注射を打つこと自体がはじめてで怖かったのに、更に血が出てきたので本当に驚きました。

  • 自家培養軟骨移植術を受ける前の不安を教えてください

    AY: 不安は2点ありました。1点目は、先ほども言いましたが入院期間が1ヶ月半と聞いていたので、長期で休暇が取得できるのかということ。 幸い、年号が変わる時の連休(10日間)と、職場の理解で約3週間の休暇をいただいたことで何とかなりました。 入院生活終了後は残りの有給休暇が少なかったので、術後1年間はそれまで以上に体調管理などに気を使いましたね(笑) 2点目は、退院後の生活です。例えば梅雨時期(6月)に松葉杖生活になるから雨の日の通勤時は傘をさせない、どうしようと不安になりました。 マンホールやタイル張りされている床は滑りやすいと聞いていたので、滑って転倒したら手術をした意味がなくなってしまいますからね。 私は体が大きいため、雨合羽のサイズ探しにも時間がかかりました。ただその年の梅雨は雨の日が2日間しかなくとてもラッキーでした。 松葉杖生活は限られた時間でしたが、その期間でも外出時の不便さや危険を大いに感じました。そして、普通に歩けることの有難みを実感しましたね。

     

  • 最初の関節鏡の手術(組織採取)について教えてください、入院期間は何日でしたか。

    AY:1泊2日でした。退院した日の午後に職場に向かい、仕事ができました。

  • 手術後の傷や痛みはどうでしたか。

    AY: 理学療法士さんから、ひざを曲げる時に骨を削るような動きをするという自分のクセを矯正する方法(正しいひざの曲げ伸ばし)や、 ひざ周りのトレーニングを集中的に教えていただき、週に2回ほど実施していましたので、痛みはあまりありませんでした。 松葉杖も不要でしたし、痛み止めの注射や薬も必要ありませんでした。

  • 手術費用(実費)はどの程度でしたか。

    AY:約6万でした。

  • 2回目の移植手術について教えてください、入院期間は何日でしたか。

    AY:37日で5週間程度でした。

  • 手術後の傷や痛みはどうでしたか。

    AY: 手術後すぐは、寝ている時は痛みはありませんでしたが、足を少し動かしたら激痛が走り、「あ、手術したんだ」と実感しました(笑)  軟骨治療をした場所の痛みというよりも、切開した傷口がかなり痛かったです。 点滴で痛み止めを入れていただいていたのですが、あまり効いてなかったような気がします。 それでも痛みは1週間ほどで消えました。傷口が思った以上に大きかったので、術後に写真を撮りました(笑)。 その傷も今ではきれいに治っていて、バスケットボール仲間にもきれいなので驚かれました。 また「その手術ってどんな手術なの」と聞かれて詳しく説明することもしばしばあります。 周りの仲間もひざが痛い人が多いようです。

  • 手術費用(実費)はどの程度でしたか。

    AY:約18万円でした。

  • 手術前後のリハビリについて内容や頻度、期間を教えてください。

    AY: 術後翌日から車椅子に移ってリハビリを開始しました。 この車椅子に乗るのも実はリハビリの一環です。2-3日は痛みと闘いながら頑張りました。 1日2回午前はひざのリハビリ、午後は理学療法士の方に教わりながら筋トレをおこなっていました。 私はダンベルを持っていったので、入院している仲間と筋トレに励んでいました。 術後1週間過ぎたくらいからでしょうか。傷口の痛みよりも、筋トレの筋肉痛の方が記憶に残っています(笑)

  • 入院中に困ったことやつらかったこと、嬉しかったことを教えてください

    AY: 2回目の手術後の2日間が一番困りました。自分でトイレに行くことができないから尿瓶に用を足すのですが、まったくうまくできなくて。。 苦しみました(笑)。松葉杖が使えるようになってからは、特に問題なく過ごせたと思います。 また、ひざ以外は元気だったので、松葉杖で病室を出たままなかなか戻らなかったら看護師さんにすごく怒られた思い出があります(笑)。 病室仲間にも恵まれて楽しい入院生活を過ごせました。先生や看護師さん、理学療法士の方もとても優しく、なんだか楽しい入院生活でした(笑)

  • リハビリの際の不安やその克服方法があれば教えてください

    AY: リハビリの不安はありませんでした。理学療法士の方の言う通りのことをすれば絶対に治りも早くなるし、 けがの再発防止になると信じてリハビリに取り組みました。 手術前の自分であればもしかしたら無理をしたかも知ませんが、 手術をきっかけに、言われたことを忠実におこなうことを心に決めました。

     

  • リハビリ中に励みになったことはありますか

    AY: 「スクワットの姿勢が良くなったね」とか「フォームがきれいになった」など褒められると嬉しかったです。 言われていたことが徐々にできるようになった時、ひざが良くなってきていることが実感でき励みになりました。

  • 日常生活に戻れたと感じたのはいつ頃ですか

    AY: 術後8ヶ月くらいでした。通勤時、信号が点滅した時に軽く走れました。 その時ようやくここまで治ったかと実感できました。 術後は走らないように言われていたので気をつけていましたが、この頃元島先生から「軽くなら走って大丈夫」と言われ、 自分でも徐々にひざに力が入りやすくなったなと感じ始めていました。嬉しかったですね。 仕事では、術後1年くらいはしゃがむ動作がある仕事は仲間にお願いして調整していましたが、1年後にはその作業もできるようになり、 1年半後はバスケットボールの試合にも少しだけ出場できるようになりました。 自家培養軟骨移植術のパンフレットには、スポーツ復帰に2年かかると書いてありましたので、 自分の場合は順調すぎるくらいの回復だったと思っています。

  • 自家培養軟骨移植術を受けてよかったと思いますか。

    AY: 手術を受けて本当に良かったと思います。私が手術をして目指した目標は「日常を取り戻すこと」でしたから、 当たり前のように日常生活が送れるようになったことに幸せを感じました。 もちろんバスケットボールができるようになったのも嬉しかったです。今は子供たちと一緒に走って遊べ、彼らの成長を感じられます。 またこの手術で、家族や休みをいただいた職場、病院の関係者の方など、 自分はたくさんの人に支えられていると改めて感じました。本当に感謝しています。

  • 私たちのアンケートでは「この治療は費用が高い」という意見が多いですが、今回の手術費用(実費)についてどう思われますか

    AY: 一時的には数十万円かかりますが、手術をせずにずっと注射やリハビリにお金をかけることを思えば高額ではないと思います。 また、ひざが回復し明るい未来のためなら安いと思いますし、長い人生の1年か2年の我慢も耐えられます。 今は保険や高額療養費制度が使えます。保険がきかなければ数百万かかる治療ですからね。

  • 自家培養軟骨移植術をこれから受けようと考えている患者さんに一言お願いいたします。

    AY: けがをする前までは体のケアをおろそかにして負担ばかりかけていました。 この手術と入院生活をきっかけに、自分の体と向き合うことができて、私自身成長することができました。 例えば、リハビリのお陰で走り方が変わりましたし、バスケットボールの試合中に正しい姿勢でひざを無理せず使える、 お尻の筋肉をうまく使うと前に進みやすいなど、今までできなかった動きもできるようになりました。 理学療法士の方に自分の弱いところを教えていただいたので、それをいつも意識しながらスポーツや 日常生活をおこなうようにしています。

    個人差はあると思いますが、私は2年かからないでけがをする前の状態に戻れました。 この手術はけがをする前の状態に戻してくれる魔法の医療だと私は思っています。

    そして、手術と聞くとマイナスなイメージになりやすいですが、それ以上に得られるモノがたくさんありました。 当時入院していた人たちと今でも連絡を取り合い、定期的に会ったりしています。入院しなければなかった出会いです。 時間が経過するごとにできることも増えて達成感や幸福感が得られます。

    後にこの手術を検討されている方へ、ぜひ達成感・幸福感、そして痛みのない日常生活を送りましょう。 私も引き続き体を大事にしながら進化を続けて、子供たちに負けるその日までバスケットボールを続けたいと思います(笑)

  • バスケットボールはひざを痛めやすいスポーツです。 AYさんのようにひざの再生医療で日常を取り戻すことは可能ですが、 痛みや腫れを我慢して長い間放置せずにできるだけ早めにスポーツ整形を受診されるとより良いですね。 AYさん、本日は有難うございました。(取材日:2021/8/30)

     

    ひざの状態(AYさんの調査結果)

     

    注)このグラフはAYさんに「症状」「痛み」「日常生活」「スポーツやレクリエーション活動」「生活の質」について、 回復の程度を5段階に分けて聞き取りをした結果です。例えば、「症状」の場合、質問が5つあり「ひざに腫れがありますか?」という質問に対し 「まったくない」「まれにある」「ときどきある」「ひんぱんにある」「いつもある」のどれかを答えていただきます。 「まったくない」という一番良い状態の回答が多ければ多いほど、スコアは100に近づきます。 つまり、グラフは、術前は低かったスコアが経時的に100に近づき改善されていることを示しています。 「症状」「痛み」「日常生活」と比べて「スポーツやレクリエーション活動」「生活の質」の術前スコアが低いこともわかります。 しかし、1年、2年と経過をみますと図のように改善されています。

     

     

    主治医:高島平中央総合病院 整形外科 元島清香先生

    専門分野:スポーツ整形

    資格:日本整形外科学会整形外科専門医、日本整形外科学会認定

    スポーツ医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター

     

    https://takashimadaira-hospital.jp/dept/speciality/sports-seikei-gairai/