白斑についての疑問にお答えします。
監修: 大阪公立大学 大学院医学研究科皮膚病態学 特任教授 片山 一朗 先生
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Q 白斑は、どうしてなるのですか?A 白斑は、メラニン色素をつくるメラノサイト(色素細胞)が減ったり、消失することで発症します。 手の平と足の裏以外の、すべての体表に起こり得ます。白斑の根本的な原因は完全にはわかっていませんが、次のようなことが考えられています。
●自己免疫の異常:自分の身体を守ってくれる免疫がメラノサイトを攻撃・破壊する
●過度なストレス:ストレスにより血流が低下したり、自律神経のバランスが崩れることで白斑が悪化する
●病気の合併:梅毒、甲状腺疾患、白血病、糖尿病などの一部の病気は、白斑の発症や進行と関連があるといわれている
●薬剤、化学物質によるメラノサイトの障害
●メラノサイトの異常:遺伝子変異や欠失などによる
白斑は、家族性(先天性)の場合と後天性の場合があります。また、他の自己免疫疾患と合併するケースが多く、特に甲状腺疾患の合併が多くみられます。
白斑の予防策としては、引き金となる肌への刺激をできるだけ避ける目的で、日焼け止めをしっかりと塗る、直射日光を直接浴びないようにするなどの対策が有効です。 -
Q 白斑になりやすい人っているのですか?A 白斑は、どの年代においても発症しうる病気ですが、比較的若い年代での発症が目立ちます。 また、梅毒、甲状腺疾患、白血病、糖尿病などがある方は、そうでない人と比べると発症のリスクが高いといえます。
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Q 白斑患者さんは日本にどれくらいいるのですか?A
厚生労働省の研究班の2009年のデータによれば、年間91.2万人が皮膚科を受診しています。 そのうち、先天性の白皮症患者は1,748名、後天性の白斑患者は6,359名でした。これらの白斑患者のうち、尋常性白斑が約60%ともっとも多くを占めています。 (厚生労働科学研究成果データベース参照)
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Q 白斑にはどんな種類があるのですか?A
●尋常性白斑
もっとも一般的な白斑です。 自己免疫異常によってメラノサイトが破壊され、皮膚の色が白く抜けます。 発症後は、白斑の1つ1つが次第に大きくなったり、数が増えたりすることが多くなります。 体のあらゆる部位に白斑が現われますが顔面によく現われます。 治療法は、内服、外用薬、光線療法、化粧品によるカモフラージュ、皮膚移植と症状によってさまざまあります。
●感染症による白斑
細菌、ウイルス、真菌により白斑が現われます。梅毒、HIV感染、癜風菌などでも白斑が現われることがあります。 内服、外用薬など感染症の種類によって治療法が異なります。
●サットン母斑
悪性黒色腫や色素性母斑の患者さんで脱色素斑が現われることがあります。メラニン関連のタンパクに対する自己免疫反応といわれています。 体幹、特に背部に多く発生します。10歳代の患者さんがもっとも多く、30歳までの発症が多くを占めます。 尋常性白斑を合併することも多くあります。治療法は外科手術となります。
●免疫チェックポイント阻害薬による白斑
がん治療のために免疫チェックポイント阻害薬を使用した際、自身の免疫機能が過剰に働いてしまい、 自分のメラニン色素をつくる細胞を攻撃してしまうことで色素が作れなくなって白斑が現われることがあります。 一般に、薬の投与を開始してから3-6週目に発症し、薬の量が増えると現われやすくなります。 治療法は、内服、外用薬、光線療法、化粧品によるカモフラージュなど症状によって選択されます。
●化粧品による白斑
ロドデノールというメラニンの生成を抑える物質を含む化粧品を使用した際に白斑が現われることがあります。 治療としては、化粧品の使用を中止し、遮光をしっかりおこないます。それ以外に内服、外用薬、光線療法がおこなわれます。 日本皮膚科学会が2013年に行った調査によれば、白斑がほぼなくなった、半分以下になったという方が34%、面積は縮小しているものの1/2以上残る方が38%、不変が25%、増えているが2%でした。
(日本皮膚科学会ウェブサイト ロドデノール含有化粧品について:患者さん向けFAQ(2015年8月7日改訂)(診断及び治療に関する情報) -
Q 日本での治療は、現状どうなってますか?A
尋常性白斑診療ガイドライン第2版2025*によれば、ステロイドやカルシニューリン阻害剤、JAK阻害剤、活性型ビタミンD3などの外用療法、ナローバンドUVBやエキシマレーザー/ライトなどの光線療法、ステロイドミニパルスなどの全身療法、水疱蓋移植やメラノサイト含有自家培養表皮を用いた移植術などの外科手術が行われています。 白斑をメイクで隠す「カモフラージュ」も広く行われています。
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Q 白斑に初期症状はありますか?A 初期には、直径1センチほどの白斑がいくつか現われます。「肌の色がまだらに薄くなった」と思っていたら、次第にはっきりとした色抜けとなり、受診されるケースもよくみられます。
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Q 白斑はうつりますか?A 白斑は皮膚の病気ですが、まわりの人にうつったりするものではありません。
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Q 白斑を放っておくとどうなりますか?A 尋常性白斑については、数が増えたり、一つ一つが拡大したりするため、見た目上の問題も大きくなるといえます。 痛みやかゆみなどの症状はなく、命にかかわる病気ではありませんが、白斑が露出部にある場合には心理的な影響が大きく、 外出できないなど日常生活に支障をきたしている人も少なくありません。
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Q 白斑が広がるスピードは?A 白斑のうち、大きくなっていくのは尋常性白斑です。 そのスピードは症例によって大きく異なります。基本的には少しずつ時間をかけて拡大しますが、稀に急速に拡大していくものも存在します。 自然に治ったり、セルフケアで改善したりすることはないため、気づいたときにはお早目に皮膚科にご相談ください。
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Q 白斑になったら気をつけることを教えてください。A 日常生活の注意点は大きく2つです。
① 強くこすると白斑が広がることがあります(ケブネル現象)。 特に体を洗う際にゴシゴシ洗わないようにしてください。
② 治療として紫外線を当てることはありますが、自身の判断で日焼けをしてしまうと肌のトラブルの原因になります。 日常生活において白斑部は過度の紫外線を当てないようにしてください。 -
Q 白斑を隠すものはありますか?A 白斑用のファンデーション(自費購入)などを用いて見た目を整えるカモフラージュメイク法があります。 価格は千円から数千円のものまでさまざまあります。
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Q 子供が日に焼けた後に頬にまだらに色が抜けてきました。これは尋常性白斑ですか?A それは単純性粃糠疹、いわゆる「はたけ」かもしれません。 はたけは、肌が少し荒れていると、その部分、皮膚表面の角層で光の乱反射が起こり、あたかも日焼け止めを塗ったかのような状態になり、 日焼けをしたときにそこだけ焼けないので色が抜けてしまうような皮膚の変化です。 色が抜けたように見えますが、まわりが日焼けをしたのであって、抜けた場所が本来の肌の色です。 肌が荒れているサインでもあるので、保湿剤を塗ったり、表面の炎症を抑えたりする薬を使うことがあります。
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Q 尋常性白斑は子供に遺伝しますか?A 尋常性白斑診療ガイドライン第2版2025によれば、日本人では11.3%に家系内発症がみとめられています。
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Q 白斑の光線治療中の肌はどのような状態になりますか?A 光線治療は、レーザーではないので照射中の痛みはありません。 イメージとしては有害な波長が少ない、日焼けマシーンのようなイメージです。 ベッドに横になって頂き白斑の部分に特殊なランプで光を当てていきます。 照射後は、淡く赤くなったり、多少ピリピリするような日焼けの後の変化が現われるかもしれません。 全く何も変化がないよりはそのような軽く日に焼けたような変化があった方がより効果的です。 強い痛みや激しい赤みが起こるようだと光線の照射量が強すぎるので調整をおこなっていきます。
●ナローバンドUVB療法をおこなう場合
・1日につき 1,020円 (3割負担の方)
尋常性白斑は初診時から1カ月以降の再診の際には皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅱ)が月に1回かかります。
・月に1回 300円
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