ひざについて様々な情報
軟骨欠損の治療には、主に3つの方法があります。
採取した軟骨を培養して増やすため、自家骨軟骨柱移植術より採取する面積が少なく済み、これまでの治療法では治療できなかった大きな軟骨欠損を治すことができますが、培養軟骨移植術の前に、軟骨を採取しなくてはなりません。ただし、移植した軟骨が他の治療法よりも長持ちするという報告があります。
欠けた軟骨(患部)の下骨にドリルやキリのような器具で孔を開け、中の骨髄から血液(骨髄液)を欠けた箇所に流入させることで、軟骨に変わる組織の形成を促すものです。
患者さんご自身のひざの痛んでいない箇所から骨と軟骨を円柱状にくりぬいて、痛んでいる箇所に移植する方法です。治療効果は高いですが、採取できる面積に限りがあるため大きな欠損は対応できません。
安達伸生、平田和彦、越智光夫、28(4):445-456. 臨床スポーツ医学 2011 改変
軟骨欠損治療と併用される可能性がある治療方法の一部をご紹介します。
断裂した前十字靱帯は、他の靱帯と異なり自然に治癒しにくいため、新たに靱帯をつくらなければなりません。日本では多くの場合、患者さん自身の腱(自家腱)を使用して再建します。
主に1本で再建する場合と、2本で再建する場合があり(図参照)、最近では、身体的な負担が少なく術後の傷跡も小さい、関節鏡(内視鏡)視下でおこなわれるようになりました。
損傷している半月板の場所と状態により、半月板の一部を切除したり、縫合術をおこないます。最近では半月板の機能を温存するため、縫合術が積極的におこなわれるようになりました。
患者さん自身の腱の一部を使用して膝蓋骨と大腿骨をつないでいる内側の靱帯を再建します。大腿骨に孔をあけ、その中に移植腱を通し、膝蓋骨が外側に脱臼しないようにバンドを作ります。