自家培養軟骨移植術について
移植した軟骨は最初は軟らかく、徐々に固くなっていきます。
固くなるスピードは個人差がありますが、一般的に移植後は「ゼリー」、6ヵ月で「パン生地」程度、1年後には「消しゴム」程度の固さになるとされています。
移植部の軟骨の固さに合わせてリハビリテーションがおこなわれ、医師により運動が許可されます。
術後より開始します。
術後のひざの安定を保ちます。
術後早期より、ひざが固まり曲がりにくくなることを防ぎ、関節の腫れを軽減することを目的におこないます。
この運動により、軟骨修復が進みます。
歩行の獲得とともに、移植した軟骨の修復を促します。徐々に荷重をかけていきます。
移植した軟骨に過度の負荷がかからないように考慮してさまざまなトレーニングをおこないます。
例)レッグプレス・自転車エルゴメータ
関節の安定性回復に大変重要です。
タオルギャザーなどから開始し、荷重を開始した後は、片足立位、不安定な土台上でのバランス保持などをおこないます。
Q リハビリテーションはどれくらいの頻度でおこなうのでしょうか?
自家培養軟骨は移植直後から6週間程度は、軟骨細胞が増える時期です。この期間は移植した部分が軟らかいため全体重をかけることはできません。しかし、ひざが固まらないように、細胞が増えるようにひざの曲げ伸ばしをおこない、少しずつ体重をかけていきます。6週以降は徐々に移植した軟骨の固さが増していきます。リハビリ内容、スポーツや負荷のかかる活動の開始時期などは医師が診断の上、許可します。
入院前の注意:手術まで足の筋力を鍛えましょう(特に手術前の4週間)。術後の回復が早まります。
スポーツ復帰:一般的には、サイクリングのような衝撃が少ないスポーツは6ヵ月から、ジョギングは8~9カ月から、ダッシュ・ジャンプは9カ月以降、競技復帰は1年以降から許可されますが、患者さんの移植された軟骨やひざの状態により医師が最適な復帰の判断をします。
退院後の注意:移植された軟骨は退院時にはまだ固さが十分ではありませんので、日常生活でひざに過度な負荷がかからないように注意しましょう。
階段昇降時に気をつける しゃがみこみをさける