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自家培養軟骨の開発者紹介

サイト監修者 越智光夫 先生 プロフィール
広島大学大学院 医歯薬保健学研究院 統合健康科学部門医学分野 整形外科教授
専門は膝関節外科、スポーツ医学、再生医学。
組織工学的手法を用いた自家培養軟骨移植術を1996年より日本で開始し、
これまでに約130症例を超える移植実績をもつ。

膝軟骨は、ヒザなどの関節の骨の表面を覆っていて、骨同士がぶつかるのを防ぐクッションの役割を果たしています。非常に滑らかで、一定の弾力性を持っていますので、関節はスムーズに動くことができ、体重がかかっても衝撃を吸収することができます。

ところが、軟骨には血管や神経が通っておらず、傷を治すための細胞も少ないため、軟骨組織が一度欠損すると自然に治るということが極めて困難であることが知られています。欠損が比較的小さければ、骨穿孔法を含め、いくつか治療法があるのですが、スポーツによるケガや交通事故などによって広範囲に軟骨が欠損している場合、有効な治療法はありませんでした。

私たちは、患者さんのヒザから軟骨の細胞を少しだけ採取して、アテロコラーゲンゲルに軟骨細胞を混合し、立体的に培養したものを患者さんに移植する「自家培養軟骨移植術」を確立しました。これにより、広範囲に軟骨が欠損している患者さんの治療も可能となりました。

この治療法は2013年4月から公的医療保険が適用されており、「膝関節における外傷性軟骨欠損症または離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)で、ほかに治療法がなく、かつ軟骨欠損面積が4cm2以上」である患者さんが受けることができます。実施できる医師や病院の基準が設けられていますが、ほぼすべての都道府県で受けられるようになりました。

この自家培養軟骨移植術を受けることで、スポーツや仕事に復帰したり、生活の質(Quality of life: QOL)が向上するなど、軟骨のケガで困っている患者さんにとって福音となることを心より願っております。